もりの華 -hanalog-

いつでも最高の自分でいられるように!
【★読んでほしい★Books -こちら救命センター-】

今日は救命医療です。



『こちら救命センター』

    (集英社文庫 1992年)







浜辺 祐一

1957年兵庫県生。

1981年東京大学医学部卒。
東大病院救急部を経て国立水戸病院外科に勤務。
1985年救命救急センター開設と同時に、都立墨東病院へ。
現在、救命救急センター部長。
専門は救急、外傷外科。

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)








[内容紹介]

「ハイ、救命センターの当直です」
「24歳の女性なんですが、眠剤を多量に飲んで意識がないんです」
「わかりました。すぐ搬送してください」
消防署からの依頼である。

救命救急センターの電話は、途切れることがない。
死ぬか生きるか24時間態勢で取り組む救命救急センターの若き青年医師と、
看護婦、そして患者が織りなす、心温まるドキュメンタリー。




[目次]

 卒業
 再発
 心臓神経症
 病理検査
 外妊
 肝転移
 呼吸困難
 配置転換
 自殺
 暴走族
 子供の日
 処置婦
 贈る言葉
 休憩室
 ヒステリー
 わがまま
 本心
 堂々巡り
 ボケ
 溜息
 予感〔ほか〕






−−−−

先日読んだ浜辺先生の著書『救命センターからの手紙』
が良かったので、浜辺先生の他の著作を数冊購入しました。



『救命センターからの手紙』レビューはこちら





この本、

私は救命センターの出来事の記録というよりも、
医師として、看護師として、

そして、そればかりでなく、

人間としての生き方を説いているような気がしました。





もしかしたら、そんな風に感じる人は
とても少ないのかもしれません。


生と死の現場にいるからこそ、
人間の本質や、純粋さや素直さを、
このようにあらわすことが出来たのではないでしょうか。



−−−−

「生命とは、そのまわりの世界から膜一枚隔ててつくられた一つの場にすぎず、

 その場は、そのまわりの世界にとっては何の価値も意味もないのである。

 ただその閉ざされた空間は、たとえ価値や意味がなくとも、

 維持しつづけようとする欲望、すなわち『生きたい』という欲求を

 内に秘めているものだ。

 つまり君たちの人生には、もともと何の意味も価値も与えられてはいない。

 それに意味や価値を与えるのは君たち自身であり、君たち自身が
 
 『生きたい』と欲求すること、

 それが自分自身が生きている証拠に他ならない」


               (p14 ”卒業”より)




意味のない人生や価値のない人生を送ることが、
どれだけむなしいものなのか、

けれど、意味も価値も自分自身の中からしか湧き上がらず、
それが出来るのは他の誰でもなく、
自分なのだということを、思い知らされます。



−−−−


「死にゆく人々の心の動きはさまざまなんだ。

 決して十把ひとからげにできるはずがない」

「・・・・・・」

「・・・その場に自分がいるということで、自分が
 
 彼の死にたずさわっているということで、

 その場に何らかの違いを生み出しているかどうかということなんだ」

             
                (p22 ”再発”より)




自分にしか出来ないこと、
それを見つけることはそんなに難しいことではないかもしれない。

自分が素直に、まっすぐに生きていれば、
そこにいる自分は何者でもなく、”自分”である。




−−−−

「確かなことは、どういうわけかわからないけど、

 自分のおかれている立場が、それ以外の何ものでもない、

 今の立場しかないということだ。

 そこから出発するしかないということだ」


          (p62 ”配置転換”より)




私は、この言葉にとても勇気付けられました。

それは、ただ流されるのではなく、
その、私が今、置かれている状況は、
出発地点で、逃げることはできないということ。


自分の足で、出発するしかないということ。





−−−−

「医者が人を救うのではない。

 よくなっていく患者は患者自身でよくなっていくのである。

 医者や看護婦はその手助けをしているにしか過ぎない。

 患者がよくなっていくように環境を整えているに過ぎない。

 そして誤解を恐れずに言うなら、

 そうしたことは医者や看護婦の仕事の中では些細なことだろう」

           (p80 ”スーパーマン”より)




私はUKにいるときからカウンセリングの勉強をして、
自分自身も精神的に参った時期があって、
身近に大好きな人がずっと精神科にかかっていて、

がむしゃらに勉強してカウンセラーの資格はとったけど、

結局私に出来ることは、
その人の痛みをわかってあげること。
心の奥に隠している傷を自分のものとして引き寄せてあげること。

最終的に行動を起こすのは患者自身で、
誰も変わってあげることはできないから。

その人が安らげる場をつくり、、
”生きたい”という気持ち、
”がんばりたい”という気持ちを
応援する、見守る立場ではありたい。

いつも。


−−−−

「力ずくで教え込んだものは残らないけど、
 
 自分でつかんでいったものは最後まで残るだろうからね」

            (p97 ”理不尽”より)




『教育』とはそんなもの。
無理に与えるものではない。

好きと好奇心があればよい。
それを見つけられる環境を提供するだけでよいのだ。


−−−−

「生身の人間の傍らにいることの出来る条件、

 それはいつも自分らしく、
 生き生きとしていることだけだから。

 周りの人間に、自分らしさを生き生きと表現すればするほど、
 より多くのものが与えられ、
 より豊かなものを得ることができるのだから」


            (p112 ”贈る言葉”より)






この言葉は、今の私にも、すごく感じた言葉です。

社会人3年目の頃は
プライドは高く、けれどいつもプレッシャーで
押しつぶされそうだった。


「自分らしく」なんて泣き言を言うようなものだった。

そう思っていた。


でも、
自分に与えられる環境がすべて意味のあるもので、
それは自分を作る場所ではないと分かったとき、
生きることが楽になった気がする。



−−−−

「自分を大事に出来ない人間が、
 
 何で人のことを大事に思えるんだ!」


         (p198 ”母親”より)



「私はどうなってもいい」
という気持ちは、
美しいようでいて、思いやりにあふれているようで、
全く逆の意味を持つ。

あなたが愛する人はそれでしあわせ?


自分のしあわせと、大切な人のしあわせと、

時に矛盾するかもしれない。

けれど、その葛藤はしあわせの葛藤だと思う。



−−−−

「大事なことは、
 君が、いかに正しいことを話したかということではなくて、

 君のその説明を、家族がどう理解したか、
 ということなんだ」

            (p168 ”マニュアル”)




「伝わらない気持ち」はないものとおんなじ。

それと同じで、違う理解をされてしまったことは、
ないものと同じ。

それは不幸だ。

人間はいつも、”わかり合いたい”と思う。

悲しいけれど、
伝わらない気持ちの方が多いのかもしれない。




−−−−

「からだは正直である。

 頭でどんなにごまかしてみても、
 本当の気持ちは、からだが一番よく知っているものである。」


「・・・・・・怪我や病気にならないと
 自分の本当の気持ちに気がつかないなんて」


            (p181 ”悪心”より)



”大切なものは目には見えない”
って言うように、

本当に大切なものは、
なくなりそうになって気がついたり、
なくなって気がついたり・・・。

そんなのさびしい・・・。




−−−−

「おもしろいものだ。

 相談するとは言っても、
 人は他人の意見に従うことはない。

 自分ですでに結論を持っているから相談する。


 ・・・・・・

 そして結論を、ではなく、安心を手に入れるにすぎない。

 でも忘れないで欲しい。

 その結論を出したのは他の誰でもない、
 自分自身なのだということを、
 責任はすべて自分が負わなければならないということを。

 だって、自分の人生は自分が決めるのだから」


            (p198 ”五月の風”より)





自分で決めた道で、
精一杯輝けるように努力をする。

人生に責任を持つ。

あなたが選んだ道に、
間違いは決してないから!



−−−−

「本当は見える筈なのに、

 我々は見ようとしていないのかも知れない」


         (p298 ”今年こそは”より)





小さな変化を、
敏感に感じ取れる人間になりたい。

季節の移り変わりも、
変わりない日常も、

誰かのしあわせと、
わたしのしあわせが、

満ち溢れているのだということを、

日々感じていたい・・・。






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